6. 調整

一応これで、ギターの形になったわけですが、各種の調整が必要です。

 

6.1.       弦高調整

ブリッジ側で自分の好みの弦高になるよう、ブリッジのネジ(写真の矢印)12個で調整します。

面倒でも、1回ずつ弦を緩めてから作業しないと、ブリッジのベースにキズがつきます。

なお、ネックが反っていないことが、この調整の前提です。

また、指板のRに沿うように、1弦側〜6弦側まで、なだらかな曲線を描いた高さにします。

ナット溝底(赤線)は指板

と平行になるように加工。

糸巻き側はわずかに斜め

下向きに。

 

 

指板

ナットの溝をナットファイルで少しづつ深くしていき、最適なところで止めます。溝底は指板と完全に平行に切り、糸巻き側端をわずかに下向きに彫ります。

開放弦を弾いたときにビビリ音がするのは、弦高が低過ぎるためで、ナットを高くする必要があります。実際には削って作ったものを元には戻せないため、骨粉を接着剤で溶いたものをナットに塗りつける方法と、ナットの下にスペーサーを入れる方法があります。程度の差こそあれ、どちらも音質は悪化します。

 

6.2.       オクターブ調整

弦高調整が終わったら、オクターブ調整をします。

キチンとアンプにつないで、神経を集中して実行しないと、だんだんわからなくなってきます。電子チューナーを利用するのもよいでしょう。

どうやっても合わなければ、ブリッジの位置修正になってしまいます。

面倒でも、1回ずつ弦を緩めながら調整しないと、ブリッジのベースにキズが付きます。

 

6.3.       ピックアップ高さ調整

最終フレットを押さえてみて、弦とピックアップ上端(通常はポールピース上端)との間隙を確認します。高過ぎても低過ぎてもダメです。

ピックアップの高さが高過ぎると、

(1)     出力が大き過ぎる、

(2)     弦がポールピースに引っ張られてサスティンが弱くなり、

(3)     強く弾いたときに弦がポールピースに当たってノイズを発生、

(4)     最悪の場合、コイル切れ、

ということがありえます。

逆に低過ぎると、頼りない小さい音になります。

ストラトキャスターのように、ピックアップを三つも搭載した場合は、それぞれの音量差も考慮しなければなりません。また、最もブリッジ寄りのピックアップは、シャープな音質を得るために1弦側を高めに設定するのが標準ですが、これは好みによりけりです。

この高さ調整は、使用するピックアップにより最適点が異なり、また、個人の好みのよく出るものなので、自分の納得するまでやってください。

 

 

0.概要  1.基本構想  2.木工  3.塗装  4.部品製作  5.組込  6.調整  7.あとがき  8.参考資料  9.付録  補遺

 

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