5. 組み込み
5.1.
ネジ孔空け
組み付ける前に、各部品が規定の位置に間違いなく取り付けられることを確認します。透明薄板で作ったピックガードが役に立ちます。
ぼんやり作業していると、誤差の累積などで、最終的に取り付けできなくなる部品が発生したりします。
具体的な作業としては、ボディを傷つけないように敷物等で保護しておいて、ピックガードなどを載せ、位置を十分に確認してから、ネジ孔の位置に印をつけます。孔径を示す○と孔中心を示す+印を組み合わせた印がよいでしょう。
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小さい孔はキリで開ける |
皿もみはφ6.5のドリルで軽く |
5.2.
ナット固定
ほとんどの手工ギター製作者や演奏者は、ナットは消耗品と考えていて、ナットの固定には、瞬間接着剤を使用します。ほんの2〜3滴たらして接着します。はみ出さないように気をつけます。
外すときには、瞬間接着剤が衝撃に弱い性質を利用します。プラスチックハンマーでナットを軽く何回も叩くと外れます。
5.3.
ネック取り付け
ネックのヘッドには、糸巻きを取り付けておきます。一直線に並ばないと、カッコ悪いです。
ネック材質はメイプルで非常に硬いので、ネジ用の下孔は必須です。くれぐれも下孔が貫通してしまわないように、ヘッド厚さより短いキリの先端位置にテープを巻いて目印にします。電気ドリルの方がラクです。
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ネックをボディのネックポケットに差し込み、密着するかどうかを確認します。浮いているようなら、ネックポケットに塗料の着き過ぎです。ネックが真っ直ぐに向くようにしておきます。
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キズ付けないように保護しながらネジ締め |
均等にネジ締め |
ネックとボディを本固定します。#2の+ドライバで、4本のネジを均等に締めていきます。このとき、ネジにワックスを塗ると作業しやすくなります。
ただし、指板オーバーハングのあるネックのばあい、仮固定にし、ピックガード取り付け後に固定します。
5.4.
配線など
ボディへの組み込み前に、あらかじめピックガードには、ピックアップ、可変抵抗器、スイッチなどを取り付け、配線も可能な限り済ませておきます。配線は、ボディの空隙に適合するようにテープで固定しておきます。
可変抵抗器の取り付けには、寸法の合ったレンチが必要です。ペンチで締めると、必ずキズが付きますし、後で緩んできたりもします。
出力ジャックへの配線は、先端をすぐハンダ付けできるようにしてジャック方向へ出しておきます。トレモロスプリング固定金具へのGND配線は、ボディ裏へ通しておきます。
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すべての配線が完了したら、ピックガードをネジ止めする前に、音が出るか確認する |
導電塗装したところとアースを取るため、ラグ等を差し支えない部分にねじ込み、アースと接続します。
センターピックアップは、ふつう、ブリッジ側&フロント側とは外来ノイズが逆位相出力になっています。これは、ミックスで出力したばあいに、ハムバッキングピックアップと同様の原理でノイズキャンセルができるからです。
5.5.
組み立て
5.5.1
ブリッジを取り付けます。
まず、弦全長(スケール)を確認し、1弦がその長さになるような位置にブリッジを置きます。
ブリッジ取り付けのズレが、ネック端からの1弦と6弦の位置相違を生み、演奏性に問題が発生するため、正確な位置に取り付ける工夫が必要です。
一例として糸を張って位置決めする方法があります。1弦と6弦には、丈夫な糸を張っておきます。本物の弦を張ると、張力が強すぎて作業が大変です
この2本の糸の位置をよく確認しながら、絶対に中心がずれないように、細心の注意を払ってネジ位置を決め、マーキングして小孔を開けてから本来の孔を開け、ブリッジを取り付けます。
このとき、トレモロユニットが自由に動くよう、ネジ高を調整します。
また、ネジにワックスを塗ると作業しやすくなります。
ボディ裏には、トレモロスプリングを掛けますが、この時、「1.6.あると便利な工具類」で紹介した「トレモロバネ工具」や釣りで使う「餌外し」があると、作業がラクです。正常に動作することを確認できたら、バックプレートを取り付けます。
ふつう、Super Light Gauge
の弦を使用するので、スプリングは3本掛けにするのが標準です。
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左右方向の位置を完全に決める |
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← 指板中心からの位置ズレがある失敗例。 1弦が中心側に寄り、6弦が外側に寄っている。 |
5.5.2
ピックガードを正確な位置に取り付けるため、作っておいた透明ピックガード(治具)をボディに当てて取り付け孔位置を決め、キリでネジ穴を開けます。それから、組み立て済みピックガードを取り付けます。
5.5.3
出力ジャックに配線して取り付けます。
5.5.4
トレモロスプリング取り付け金具にアースを配線し、バックプレートを取り付けます。
5.5.5
糸巻きに張ってあった糸を外し、本物の弦を張ります。調弦はまだしなくてかまいませんが、張り過ぎないようにします。
5.5.6
ヘッドにストリングリテーナーを取り付けますが、位置決めには、細心の注意が必要です。実際に弦の上にストリングリテーナーを置いて真上からそっと指で押し、ヘッドに軽くしるしを付けて、そこにキリで最適な孔をあけます。
メイプルは硬いので、孔が小さかったり、浅かったりすると、ネジを破損する原因になります。穿孔してしまわないように、キリに目印としてテープを貼るのは以前と同様です。
余りに硬いようなら、電気ドリルの出番です。
ネジにはワックスを塗ってから締めます。
5.5.7
ストラップボタンを取り付けるため、キリでボディに真っ直ぐに孔を開け、長いネジをねじ切らないように慎重に取り付けます。ネジにワックスを塗るのもよいでしょう。
5.5.8
最後に点検し、アンプに接続して、音が出ることを確認します。
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糸巻きを取り付けたら、弦を張る。 ストリングリテーナーを取り付ける |
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ストラップボタン取り付け |
弦高を確認する |